コラム
成熟:精子と出会う準備が整っており、受精可能な状態です。
未成熟:まだ精子と出会わせても受精する能力がない状態です。
詳しくは こちら をご覧ください。
c-IVF(conventional-IVF):体外受精(ふりかけ法)とも呼ばれます。卵子に多数の精子をふりかけて一緒に培養し、受精を促す方法です。
顕微授精:1個の運動良好精子を選別し、特殊なガラス針を用いて直接卵子の中に注入する方法です。
レスキューICSI:体外受精(ふりかけ法)で受精の兆候が見られなかった卵子に対し、当日中に顕微授精を救済的に行う方法です。
詳しくは こちら をご覧ください。
正常受精:精子由来の前核(PN)と、卵子由来の前核の、合計2つの前核が確認出来る状です(2PN)。この2つの核はやがて融合して1つの核となり、成長していきます。
異常受精:前核が1つの状態(1PN)あるいは顕微授精を実施して前核が3つ以上の状態(3PN)です。異常受精の場合、正常な出産には至りません。
多精子受精:ふりかけ法を実施して前核が3つ以上の状態(3PN)です。
未受精:前核が無い状態は残念ながら受精できなかった卵子です(0PN)。
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卵子と精子が出合い、受精した胚は細胞分裂を繰り返し、最終的に数百個の細胞からなる 胚盤胞 まで成長します。
● 培養1日目:受精の確認
● 培養2~3日目:細胞分裂の開始
2日目には2細胞~4細胞、3日目には8細胞と細胞分裂を繰り返します。
2日目に4細胞前後、3日目に8細胞前後に達することが理想的な発育速度です。
● 培養4日目:細胞同士の融合
胚が8細胞から16細胞くらいになると、細胞同士が融合し始める「compaction」を経て、完全に融合した「桑実胚」という状態になります。一見すると桑の実のような見た目であることから桑実胚と呼ばれています。
● 培養5~7日目:胚盤胞
桑実胚が胞胚腔と呼ばれる空洞を作り始め、「初期胚盤胞」という状態になります。
徐々に空洞が大きくなるにつれ、「胚盤胞」→「拡張中胚盤胞」→「拡張期胚盤胞」と細胞数を増やして成長します。透明帯という卵の殻が耐えきれないほど胚盤胞が大きくなると、透明帯を破り胚が脱出し始める「孵化中胚盤胞」という状態になり、最終的には透明帯から完全に脱出した「孵化胚盤胞」になります。
当院では、ある程度細胞数が増えて大きくなった胚盤胞を凍結しています。
小さい胚盤胞や、細胞の数が極端に少ないものは無理に凍結していません。
赤ちゃんになる可能性があると判断した胚のみ凍結することで、妊娠・出産に至る可能性を最大限に高めています。
Q1. 初期胚盤胞まで成長したのに凍結されていないのはなぜですか?
初期胚盤胞は胚盤胞になったばかりの段階で、細胞数が少ないためグレード評価を行うことが難しい状態です。さらに培養を続け、胚が大きく成長し評価が可能な段階に達した時に凍結することが最適とされています。初期胚盤胞が拡張せず、成長が停止した場合、その胚は赤ちゃんになる可能性が非常に低いため無理に凍結を行いません。
Q2. 拡張中や拡張期胚盤胞まで成長したのに凍結されていないのはなぜですか?
胚盤胞自体は大きく成長したとしても、中身の細胞がほとんど無いことがあります。
細胞数が極めて少ない胚盤胞は妊娠・出産率が低く、凍結融解の操作によりダメージを受けやすくなっています。また、一時的に大きく成長してもその後収縮してしまい、回復がみられない胚盤胞も状態不良と判断し凍結を行わない場合があります。
凍結するか否かは胚の状態はもちろんのこと、患者様のご年齢や治療歴などを総合的に考慮し、慎重に判断しています。
Q3. 胚盤胞の凍結日が培養5日目と6日目だと何が違いますか?
一般的に早く発育した胚盤胞の方が、妊娠率・正常染色体胚率・出産率が高いことが報告されています。
Q4. 培養は最長何日間しますか?
媒精日から(卵子と精子が出合ってから)最長7日目まで観察します。
Q5. 培養士と直接お話して、培養結果のお話を聞くことはできますか?
当院では採卵と移植当日に、培養士が卵の状態について写真をお見せしながらご説明させていただくお時間を設けております。
Q6. 凍結した胚の保管期間はいつまでですか?
胚が凍結できた時点で当院より保存期限をお知らせしますので、必ずご確認ください。
胚の凍結保存期間は原則12か月としており、保存期限が到来した胚は、保存期間更新の申し出と更新分の凍結保存管理料をお支払いいただくと、さらに12か月間の凍結保存が可能です。
詳しくは こちら をご覧ください。
Q7. 胚盤胞、拡張中、拡張期、孵化の状態の中でどれが一番妊娠しやすいですか?
胚盤胞は拡張と収縮を繰り返しながら細胞数を増やし、細胞数が多いほど妊娠・出産の可能性が高まります。
このため、まだ細胞数の少ない胚盤胞の状態で凍結保存することはほとんどありません。凍結保存は主に細胞数が増えた拡張中、拡張期、孵化の状態で行われます。
妊娠・出産の成否は、胚盤胞の成長段階そのものではなく、将来赤ちゃんになる部分や胎盤になる部分の細胞数の多さによって決まります。