顕微授精（ICSI：Intracytoplasmic Sperm Injection）とは、良好な運動精子をひとつ選別し、顕微鏡で観察しながら特殊なガラス針で卵子の中に直接注入する授精方法です。精子の数や運動率が極端に低い場合や、通常の体外受精では受精率が低い場合などに、顕微授精が適応となります。
当院では、より卵子へのダメージの少なくし、より良好な受精卵を得るため、最新の顕微授精法を採用しております。
紡錘体とは、卵子が細胞分裂をする際に必要な構造体であり、卵子の成熟度を判断する指標にもなっています。
紡錘体が損傷すると胚の発育に問題が生じる可能性があります。
当院が導入している紡錘体可視化装置とは、卵子の中に存在する紡錘体を高解像度で観察する特殊な装置です。この装置を使用することにより、卵子の成熟度を正確に評価し、精子の注入に最適なタイミングを見極めます。また、紡錘体の位置を確認しながら傷つけないように顕微授精を行うことで、受精率・胚の発育・妊娠率の向上が期待できます。
当院では、患者様の大切な卵子を確実な手技で顕微授精を実施する体制を整えております。
IMSI：Intracytoplasmic Morphologically Selected Sperm Injection とは、高倍率の顕微鏡下で精子を形態的に選別し、顕微授精に使用する方法です。
特殊な顕微鏡を使用することで、通常の顕微鏡と比較し約1000倍の高倍率で精子を観察することが可能となります。精子頭部に存在する小さな空胞が識別可能になり、空胞のない精子を選別することで妊娠率の上昇、流産率の低下、胚の発育度の上昇などが期待できます。
IMSIは先進医療となります。
不妊治療のなかで繰り返し流産や胚の発育停止を経験された方、精子の形態異常が多い方、通常の顕微授精で良好な胚が得られなかった方などが対象となります。
Piezo（ピエゾ）-ICSIとは、最先端の装置を使用し、卵子への刺激を抑えた顕微授精方法です。
通常の顕微授精（conventional-ICSI）では、先端の尖った針を卵子に刺し、表面の膜を吸引することで破き、精子を注入します。一方、Piezo-ICSIで使用する針は先端が平らであり、装置が発生させる微小な振動（パルス）かけることで卵子表面の膜を破り、精子を注入します。こうすることで、卵子に与える刺激を抑えることが可能となり、卵子を傷つけにくいというメリットがあります。
Piezo-ICSIは、卵子の細胞膜が弱く、通常の顕微授精では卵子が変性してしまうような症例に有効と考えられます。
※料金は全て税込価格です。
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