良好な受精卵(胚)を3回以上移植しても着床に至らない場合を、反復着床不全といいます。
① 胚の問題(遺伝子異常など)以外に、② 子宮の問題(子宮内膜ポリープや子宮筋腫、子宮内膜の炎症、子宮内膜着床時期のずれなど)や、③ 免疫学的な問題が考えられます。
当院では着床不全に関する最新の検査と治療を行っております。
子宮内膜着床能検査(ERA:Endometrial Receptivity Analysis)とは、最適な胚移植時期を調べる検査です。
子宮内膜が胚を受容できる期間、いわゆる「着床の窓」は、排卵6日目から4~5日続くとされていました。しかし、反復着床不全の約30%で「着床の窓」にズレがあると報告されており、ERA検査の結果をもとに移植時期を補正することで、着床率の向上が期待できます。
胚移植予定時期に細い器具で子宮内膜を採取し、遺伝子検査を行います。検査結果は2週間程度ででます。
子宮内膜マイクロバイオーム検査(EMMA:Endometrial Microbiome Metagenomic Analysis)とは、子宮内膜に存在する細菌のバランスを調べる検査です。
子宮内膜の細菌、なかでも乳酸桿菌の割合が着床や妊娠率に影響を与えることが報告されており、細菌のバランスによって乳酸桿菌を増やす治療や、細菌を減らす治療が推奨されます。
ERA検査と同時に検査することが可能で、ALICE検査と併せて検査することをおすすめしております。
感染性慢性子宮内膜炎検査(ALICE:Analysis of Infectious Chronic Endometritis)とは、慢性子宮内膜炎の原因となる9種の菌を調べる検査です。
慢性子宮内膜炎は子宮内膜の持続的な炎症で、不妊症女性の約30%に認められると報告されています。原因となる菌が検出された場合には、抗生剤治療が推奨されます。
ERA検査と同時に検査することが可能で、EMMA検査と併せて検査することをおすすめしております。
TRIO検査とは、ERA・EMMA・ALICE検査のセットで、一度の子宮内膜生検で同時に検査することが可能です。
同時に検査することで、子宮内膜の状態を総合的に判断することができます。
CD138検査とは、慢性子宮内膜炎の有無を調べる検査です。
慢性子宮内膜炎は子宮内膜の持続的な炎症で、不妊症女性の約30%に認められると報告されています。炎症を起こした子宮内膜の細胞はCD138が陽性となり、CD138陽性細胞が複数個認められた場合に慢性子宮内膜炎と診断することができます。治療には抗生剤の内服が推奨されます。
細い器具で子宮内膜を採取し、特殊な免疫染色を行います。検査結果は2週間程度ででます。
Th1/Th2検査は、着床や妊娠の維持に必要な免疫機構のバランスを調べる検査です。
着床においては、胚を拒絶するTh1(1型ヘルパーT細胞)が減少し、胚を受容するTh2(2型ヘルパーT細胞)が優位になります。このバランスが崩れてしまうと、着床不全や流産の原因になることが報告されており、免疫療法が推奨されています。
血液検査でTh1/Th2値を測定し、検査結果は1週間程度ででます。
※料金は全て税込価格です。
※料金は全て税込価格です。